2015/4/15

なぜだろう。
いつまでも音楽の趣味を伝えることに臆病です。
「英一さんってジャズすきなんですか?」
と先日研修生に問われた。
好みといわれると悩んでしまう。
これは味覚に例えると少し分かりやすくて、
お好み焼きも餃子も好きだけど、
今日の体調だと、おでんかな。とか
週末だからすき焼き。とか
デートがあるからニンニクラーメンじゃないかな。
とかに似ている。
制作にはピアノジャズくらいのリズムがよくあっていてアトリエで流していることが多い。
人様の感情の影響を受けるアンテナがある意味受信しやすい体質のようで。
極端にいうと、宅配便のお兄さんの機嫌が悪いとそれを受信し大きく動揺してしまうのである。
困ったことに動揺すると必ず制作物に影響を与えてしまう。
だから、音楽でリズムを整えている。
実はスタッフがいない日曜日などは違う曲をかけている。
多分全てのアルバムをもっているくらい好きなんだけど、
柄でもないなんていわれそうだからこっそり聴いている。
何時間も冬の凍てつくアトリエで、
ひとり離乳食スプーンや子ども家具を作っている時などは、
フンフン口ずさみながら削ったりしている。
だから、訃報には驚いたし、悲しい気持ちになった。
動揺したけど、多分これからも週末誰もいないアトリエでは
髭のおじさんが「羊毛とおはな」を口ずさみながら木を削っているのだと思う。

> 田中英一のコトバ