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聞思堂の家具

2012年夏、約半年の期間をかけてお寺のお堂ための無垢の机・椅子・スツールを制作しました。

ご依頼くださったのは、横浜・戸塚で800年続く、浄土真宗「善了寺」。この春に竣工した新しいお堂「聞思堂」のための家具です。
聞思堂は、「お寺はカフェのルーツ」という思いの元に人々が集うことを考慮した設計になっており、また東日本大震災を受け、復興支援と3.11後の世界を生み出す建築として、「カフェスロー」(東京都国分寺)の設計で著名な大岩剛一先生が手がけられました。

その場所でこれから50年、100年先までも、訪れる方々に見て、触れて、使っていただくための家具制作を、田中英一にご指名くださいました。

 




shakate

お釈迦様の指のしなやかさをイメージした椅子。

背骨を両側から支える背もたれは見た目以上の安定感があり、無垢の心地よさを全身で感じ取ることのできる座り心地です。

 

並べると合掌をしているように見えます。

 









shakateスツール】

卵のような女らしい座面と、男らしい脚部の組み合わせ。脚部のシルエットはshakateの背もたれのデザインと連鎖しています。

 

スツールの醍醐味はスタッキングの美しさ。螺旋を描いてどこまでも積み上げることができ、その姿はチベットで出会った仏舎利塔のイメージです。

 























【八角卓】

扇型をした八台の机は、その配置を変えるごとに実用性を兼ねながら、様々な宗教的なテーマを含みます。

 

「法輪」

円形にぴったり8台並べると浮かび上がるのは「法輪」の姿。

大人数で会議や打ち合わせをする際に利用する形状です。

法輪とは...仏教の教義を示す、八方向に教えを広める車輪形の法具として具現化された仏教のシンボル

 






「胎内回帰」

「法輪」を一部動かすと、子宮の姿になります。

聞思堂という建物自身が、胎内を象徴した空気を携えているためか、初めてここを訪れた時に涌いた最初のデザインがこの形だったと田中英一は言います。
ご住職が中心に立って法話などをなさる際に利用する形状です。
























「しゃくとり」

向きを交互にすることで、ゆるやかな有機的直線となります。

「しゃくとり」は中国の曇鸞大師の講話にちなんでいます。


























 

「アゲハ」

蝶は輪廻転生の象徴です。

4〜5人に分かれて座る際に有効な形状です。

 












【聞思堂の建築】

・ストローベイル工法

藁の束を圧縮した直方体の塊を積み上げ、その上に土壁を塗った構造体。環境に負荷を与えない、持続可能な建築として見直され、世界各地に広まっている。

  復興支援

建築木材はすべて宮城県の木材を使用

  持続可能

エコロジカルな素材を使用し、修繕しながら継続的に住まうことが可能な、昔ながらの工法をふんだんに取り入れている。

電力は太陽光を利用し、電気自動車を蓄電装置として利用。

エアコンは設置せず、ペレットボイラーを使用。空気の循環で換気が成立する設計となっている。



 

【善了寺】

浄土真宗本願寺派

神奈川県横浜市戸塚区矢部町125

http://www.zenryouji.jp