2013/3/18

今朝PCを立ち上げると嬉しいメールが届いていました。
・・・・なんと父親が大変気に入ってしまい、早速ずっと座っておりました。「疲れた」と言って寝てしまうことが多い父親が、あの椅子に座らせていただき、しばらくテレビを観ている姿を見て、姉も驚愕しておりました。ふたりで「やっぱり家具の威力がスゴイ!」ということを話した次第です。・・・・・(一部抜粋)
一昨日、画像の椅子をおくりだしました。
とあるおばあさまの手元に。
ご依頼頂いたのはお母様思いのご子息から。
まだ残暑が残る頃だったと記憶しています。
ご高齢のため、食事をなさる際に食べ物が気管に入ってしまうらしく辛い思いをなさっていました。
背骨も突起してしまっているため、既存の椅子では背もたれに落ち着いて坐る事が出来ない様子。
他にも幾つかご病気を併発しています。
半年かけて様子をみながら定期的にご訪問し、お茶やケーキ、アイスクリームを頂きながら身体の様子を見させて頂きました。
もちろん、ジーと見いる訳ではなく、ご趣味のクラシック音楽の話や昔行った旅行の話などを沢山伺いました。
毎回そうなのですが、「おかしな家具屋さんね」と笑っていらっしゃいました。
日によって(季節によって)体調も変化するため、最低でも半年(できれば1年)様子をみながら図面をひいていきます。
83年という年月にフィットした椅子は旦那さまも魅了してしまったようですね。
あいにく、おばあさまは納品時は入院中だったためご不在でしたが、本日退院予定とのこと。
会津で60年かけて育った山桜をつかって仕上げた椅子。
桜の木は山登りを楽しんでいる時に一番印象に残る樹木だそうです。
桜の木が、この世に生を受けた時に、おばあさまは23歳。
この時期どんな想いで桜の木を眺めていたのでしょう。
週末にアイスクリームをぶらさげて、談笑しに伺う事にします。

> 田中英一のコトバ