2016/6/1

最近、午前中は漆部屋に籠っています。
外界から離れた森にいる感覚でひたすら漆の音を聴きます。
まだ未熟な私には彼らの声の僅かなところしか受け取れていないのですが、
独学ならがら少しずつ音を楽しむことができるようになってきました。
画像にあるのは茶托の裏側。
この後、赤く染めた茶托に黒い漆を重ねていきます。
使い続け年月が重なった時にこの紅の漆が控えめに姿を現すのです。
私が見ることができる彼らの赤い姿はこれが最後かもしれないと思いに耽りながらの漆部屋です。

> 田中英一のコトバ