2015/10/16

雑誌の取材の帰り道。
遅めのランチを食べるため駅ナカの和食店に。
10人ほどの先客が仲間内で何やらもめている。
齢は70台かとお見受けする。
時に、いまにも飛びかかるんじゃないかと思うほど。
大声なので、聞き耳をたてなくとも話の内容は聞こえてくる。
どうやら、彼等は小学校からの同級生。
今日は毎年恒例の同窓会。
だが、毎回参加しているとある女性が参加していない。
どうやら、身体の具合が悪くなり施設におり参加できなかったらしい。
問題は来年彼女に声をかけるかどうかということ。
彼女のことだから無理して来てしまうだろうし案内は出さないようにしようよ。
とか、嘘はついちゃいかんよ。
とか、施設に出向いてはどうか。
とか、彼女がどれだけ会を楽しみにしているのか知ってるだろ!
などなど。
どんな策を講じても何かしら不具合がでて行き詰まりをみせる。
「次は誰が倒れるか分からないんだから」
ぽつりと品の良いご婦人がつぶやく。
皆が彼女を思って必死に話し合う。
完全に幼い頃の皆さんに戻って学級会をしている。
最近ドラマでも見ない良い話が聞けて、目頭が熱くなってきたところで帰ることにする。

> 田中英一のコトバ